手軽でストイック、デッキ構築型ローグライクポーカー
ついつい夜通しゲームをプレイして、気がついたら窓の外が明るくなっている。こんなブログを読みに来ていただいているみなさんは、何度も経験があると思います。もちろん私もあります!Diablo、Civilization、FF11、オフラインならFTL・・などなど、数えていくとキリがありません。
そしてまた、明けない夜が来る?
中毒性が高く、一度始めると止められないと巷で噂の「Balatro」。前々から話は聞いていたのですが、TGAで色々受賞したということで、ミーハーな私はすぐプレイを開始をしたのですが、確かにリプレイ性が高く止められない。師走の忙しい時期に始めるゲームではなかったのかも・・。
どんなゲーム?
Playstackからリリースされた、デッキ構築型ローグライクのポーカーゲームです。どうやら開発されたLocalThunkさんは元々趣味でゲームを作っていて、リリースしたところ予想外の大ヒットになったみたい。大きくライフスタイルが変わっちゃって困惑しているそうだけど、夢があるよね。
ゲーム性としてはポーカーとは面白さのベクトルが違います。終盤に向けてデッキを構築していく、リソースの最適化。デッキビルドの楽しさに重点が置かれていると感じました。そこにポーカーという運の要素が大きいルールを組み込んだことで、ローグライクの楽しい部分をギュッと詰め込んだようなデザインとなっています。
リアルのポーカーは心理戦や対人の駆け引きを含めて楽しむもの。「Balatro」は自己挑戦にフォーカスしてる。やっぱりゲーム性は大きく違う。
基本はポーカー、でも遊び方はローグライク
ゲームの進行はシンプルです。基本的にはポーカーで、決まったラウンド毎にスコアのノルマがあり、1アンティで3ラウンドを8セット、計24ラウンドを踏破するとゲームクリア。1ラウンド毎にショップでお買い物ができて、デッキを改造したりカードの強化ができます。
役や用語はポーカーそのまま、知っているとすんなりプレイができて敷居は低め。(ゲーム画面からすぐ役を見れるので、知らなくてもそんなに問題はない)。たくさん種類があるジョーカーはゲームに様々なバフを与えるもので、いわゆるレリック的な装備。デッキに入るワイルドカード的な存在では無いです。
デッキビルドの楽しみとギャンブル的な面白さ
「Balatro」の楽しさの核はデッキ構築による最適化にあります。強化方法は大きく下記の3つ、
- 1つ目はトランプをカスタマイズし、スーツ(ハートとかのマーク)を変更してフラッシュを作りやすくしたり、ナンバーを揃えてスリーカードやフォーカードを作りやすくするなど、デッキ自体のカスタマイズ。
- 2つ目はカスタマイズによって出やすくなった役を強化していく、アップグレード要素。同じ役を何度も強化でき、どんどん点数の倍率が増えていきます。トランプのカード自体も強化できる。
- 3つ目はジョーカーを使った、ゲームルールのアップグレードで、特定のナンバーやスーツの倍率をあげたりなど、すごく沢山の種類があります。基本的にはカードに書かれたお題をクリアすると点数が乗算されていく、みたいなカードを組み合わせていくイメージ。
この3つの要素を掛け合わせて上手くいくと、倍々ゲームでもの凄いスコアがでるようになります。それが凄く楽しく中毒性があるんですよね。ギャンブルは全然経験が無いのですが、うまくハマると数字がドーン!と増えていく感覚って、多分ギャンブル的な面白さなんじゃないかな?ここが「Balatro」の楽しさの大きな部分を占めていると思います。
運の要素とリプレイ性
前項のギャンブル的楽しさって、毎回は味わえない設定になっています。デッキ構築にカードの強化、狙ったジョーカーを引けるかどうかなど、運による部分が大きいです。構築自体も終盤にかけて完成していくので、運が悪くて序盤でゲームオーバーになることもよくあります。そもそもポーカー自体が運の要素が強いゲームですしね。
ただ繰り返しプレイしていると、全てが上手く噛み合った奇跡のようなデッキが構築できる瞬間がくるんですよね。その時は今までとは1桁違う、見たことも無いようなスコアを叩き出せるワケです。その感覚がやみつきになって繰り返しプレイしてしまう…、恐ろしいゲームです。
システム自体のリプレイ性も快適です。後述しますが、ストーリーや派手なグラフィックは無し、ゲームプレイに集中できます。
自己挑戦にフォーカスされたゲーム性
従来のポーカーや他のローグライクゲームは、仮想敵が存在することが多いです。ポーカーってそれ自体のゲーム性があんまり高く無くて、チップをかけての心理戦や駆け引きを含めてのゲームになっています。なので他のビデオゲームだとディーラー役がいたりNPCがいたりする。
「Balatro」には敵がおらず、そこにあるのはただノルマとなるスコアだけ。(形式上各アンティの3ラウンド目はボスと呼ばれますが、ルール上の縛りやデバフのようなものです)プレイヤーはただただ自身のハイスコアを目指してプレイする事になります。これ、ストイックなゲーム設計だなと感じます。
ただ、真面目にプレイしすぎると大変です。枚数が多いので使用したカードのチェックも大変、スコア計算もやりだすと1プレイでかなり時間を使う。ついつい完璧を目指したくなるローグライクゲーマーですが、ある程度適当にプレイしたほうが楽しく遊べそう。
あと、運の要素が強いゲームだけど、高難易度はそれがより顕著になる。強力なカードを引くためのお祈り力(pray力)が試されます。もうちょっと実力(play力)で何とかなる範囲が広ければなと感じます。
良くも悪くもフレーバーレス
良いところでも悪いところでもあるんですが、ゲームを彩るフレーバーはほとんど無しです。ストーリーや世界観、武器や防具、HPMPみたいな表現だったり、そういう演出は省かれています。例えばSlay the Spireだったりしても、ストーリーなんかはほとんど無いようなものですが、主人公達にはクラスがあって戦い方が違ったり、塔の最上階にはボスがいたり、それっぽいイベントテキストがあったりと、プレイヤーがファンタジーな世界観に入っていける演出があります。
ゲームにバックボーンや世界観が無く、映像や演出もどちらかというとチープ。悪くいうとプリインストールのアプリ感があります。Windowsに最初から入っている「ソリティア」や「フリーセル」を思い出した方も多いんじゃないかな?
それが悪いことかというと、もちろん良いところもあります。他の要素が省略されている分ゲームテンポが早く、短い時間で凝縮されたゲーム体験ができます。ゲームの核はあくまで「デッキビルディング」のリプレイなのです。
まとめ
- ルールのベースがポーカーなので、プレイ開始の敷居が低く遊びやすい。
- デッキビルドの最適化が楽しく、数字の乗算によるギャンブル的な面白さ。
- 良くも悪くもフレーバーレス、ゲーム体験に特化した作り。
デッキ構築型ローグライクって、最初にルールを覚えるのが大変なので、そこがシンプルなのはやっぱり強みです。ポーカーはルールを知っていたので説明を見ずにいきなりゲームに入れました。(子供の頃、トランプのカードで戦うキャラに憧れた兄に教え込まれてました)
そういえば、一部の国ではレーティングの引き上げでコンソール版から購入できなくなったりとか騒動があったみたいです。日本は今の時点ではニンテンドーeshopとかにもありました。気になる人は早めに買っておいても良いかも?