高難易度のデッキ構築型ローグライク+RPG。複雑なルールに難解なカード説明、乗り越えれば苦労に見合った面白さ
大人になると新しい事を始めるのってエネルギーがいります。新しいゲームも同じで、プレイしはじめると楽しいんだけど、慣れるまでが大変。昔プレイしたゲームをなんとなく繰り返し遊んだり、ソシャゲをだらだら遊んだりしがちです。
今回紹介する「クロノアーク」も慣れるまでが大変。ルールが複雑、キャラクターにカード、装備やアイテム・アーティファクトも多い、ランダム要素があり難易度も高い。でも頑張って覚えれば、その苦労に答えてくれる懐の広いゲームです。
どんなゲーム?
Slay the Spireライクのデッキ構築に、RPGの要素をプラスしたゲームです。パブリッシャーは「ALFINE」という韓国のインディーゲーム開発チーム。アーリーアクセスで2019年にはリリースが始まって、長い間アップデートを重ねてつい最近、2024年5月に正式リリースされました。DLCも第2弾まで発売されています。
ローグライク要素にRPGのエッセンス
ローグライク要素はオーソドックス、沢山のキャラクターから数人の仲間を選びパーティを組む。それぞれのキャラクターは独自のカードを持っているのでレベルを上げてデッキを構築。道中のマップは固定だけど、イベントやドロップアイテムなどランダム要素あり。運の要素が絡みつつ、戦略に合わせてビルドを構築。1プレイで最後はリセットの流れです。
キャラを動かしてマップを探索したり、レベルアップによる各種パラメーターの増加、2つまで付け替え可能な装備など、クロノアークには独自のRPG要素があります。ゲームシステム以外の部分でも、仲間にプレゼントを渡して絆を深めイベントを見たり、読み応えのあるストーリーやボス戦の特殊な演出など、JRPG的な要素もあり、日本人にはなじみやすいと思います。
特にストーリーは秀逸で、何回もやり直すローグライクのシステムと上手く融合しています。先が気になって深夜なのについついリトライしてしまいました。
一筋縄ではいかない、いろんな要素が絡み合うゲームシステム
「Slay the Spire」や以前紹介した「Cobalt Core」のようにシンプルでは無く、ゲームシステムは複雑。戦闘に関する基本的なチュートリアルはありますが、それだけでは不十分。説明されないシステムもあるので、wikiや動画で調べながらプレイした方が快適です。
カードを選んで戦闘していくのですが、それ以外でも色々できることがあります。カードが無くても使える固定スキルがあったり、手持ちのカードを交換できたり、待機して敵の行動を待つこともできる。
他にも細かいルールがあって、同じキャラクターのカードを連続して使うとコストが増えたり、敵の行動カウントを進めずに攻撃できる迅速効果のカードがあったり、色々なバフデバフがあったり、複雑で覚えるのが大変です。慣れてしまえばそれに合わせた戦略がたてられるようになり、複雑な分思い通りに戦闘が進むと気持ちいいです。
仲間は20人、たくさんの装備や遺物、アイテムを駆使しよう。ボリューム感あり
上述したような複雑なシステムに加えて、沢山の仲間やアイテム達。組み合わせは無数にあり、様々なデッキビルドが楽しめます。何度かプレイして慣れてきたと思ったら、次々に新しい仲間や装備、スキルがアンロックされていくので、長く新鮮な気持ちで遊べます。
装備やアーティファクトは沢山の種類がありますし、スキルカードは強化することで、仲間とのシナジーを持たせたりもできます。運次第ではありますが、プレイしていくと意外なキャラ同士の組み合わせが強かった!みたいな発見があり、幅広いビルドを楽しめます。
この複雑なシステムと、膨大な装備にキャラクター、バランスが破綻せずにまとまっている(ビルドによる強弱はあるものの)ことは本当に凄いです。慣れてしまえば色んな戦い方を受け止めてくれる、この懐の広さがクロノアークの最大の魅力です。
ランダム要素が結構あるよ
stsなんかのオーソドックスなローグライクと大きく違うところは命中率・成功率の概念があるところです。それぞれのスキルには命中率が設定されていて、敵の回避率やレジスト率の影響も受けます。戦略に大きく影響があり、外れることも想定して戦う必要があるので、ここは好みがわかれるところかな~と思います。ハイドロポンプは半分くらい外れるし、FEの99%は闘技場やめとくレベルですよね。
また、敵の行動予測はありません。(スキルで予測できるキャラクターはいる)敵が誰を狙うのか、何のスキルを使ってどれくらダメージを受けるのか、などは表記されず、うっかりしていると一気に窮地に陥ったりします。慎重に戦闘する必要があるので、緊張感があり1戦が濃密です。
このランダム要素のある戦闘ってどこかJRPG的で、なんやかんやで受け入れやすいです。しっかりヒールする必要があり、これだけヒーラーが活躍するローグライクって結構珍しい気がします。
UIはちょっと気になる
プレイしていて一番引っかかったのは山札&捨札を確認できないことです。デッキ構築ゲームにおいて、山札に残っているカードって重要な情報ですが、捨札のカードを確認できないので覚えておく必要があります。捨札の一番上のカードを戻す~みたいなスキルがありますが、3秒前に捨てたカードを覚えてなくて困りました(ネコ頭)
また、カードの説明も不親切かな~と感じます。カードにはスキルの説明がたくさん書かれているのですが、バフデバフの名前などの固有名がでてきて、初見ではそれが何のことか分からない、マウスオーバーで固有名には説明がポップアップするなど、情報に簡単にアクセスできればいいなと感じます。
まとめ
- ローグライクのデッキ構築+RPGで難易度は高め、慣れるまでは少し大変
- 独自のRPG要素はゲームに上手く融合していて、JRPG的なストーリーや演出は秀逸
- 沢山のキャラクターや装備でボリューム感あり、長く新鮮な気持ちでプレイできます
- UIは少し弱め、かゆい所に手が届かないと感じるかも
クロノアークは、ルールの複雑さを乗り越えてしまえば、長く楽しめるゲームです。アーリーアクセスから4年かけて正式リリース、DLCも第2弾まででました。腰を落ち着けて遊べるゲームを探している方にオススメです。
そういえばModも盛況です、バニラでプレイしつくした方は調べてみると良いかも。